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豚の床管理への活用

 

発酵床養豚と床管理技術
  発酵床による養豚に関しては「土着微生物をいかす」(農文協 趙 漢珪)の中に基本的な事は書かれているので、これを参照する。
ここでは、入来牧場での実験で得られたことを中心に述べることにする。
まず、豚舎は南向きにし、換気と採光が充分にできることが重要である。
 
床の深さ
  発酵床は深さ90センチあれば充分であるが、では最低何センチかというとまだ結論は出ていない。豚を出荷した後の床を掘って調べると、床面から30センチまでは完全に発酵しオガクズの形は残っていない。しかし、35〜40センチ以下はオガクズの形が残り、茶褐色でやや湿った状態になっており、深さ70センチの床底までの同様の状態であった。
また、糞尿を多くする餌場と反対側の床を調査した結果では、表面から30センチ程度は水分が多かったが、それ以下ではオガクズの分解はされておらず、茶褐色でやや湿った状態になっていた。このことから、床の深さは60センチあれば充分でないかと思われるが、今後の実験を積み重ね適正な床の深さを明らかにする必要がある。

豚の飼育密度及び飼料のTDNと床の発酵状態の関係
  豚の飼育密度と餌のTDNによって、床の状態は大きく影響される。つまり、単位面積当たりの豚の頭数が多くなると、床の発酵状態が低下する。また、餌に家畜糞尿 等を発酵させたものを多く配合し過ぎると床の状態が低下する。従って、発酵床飼養における適正な豚の飼養密度と餌のTDNとの関係を明らかにすることは今後の研究課題である。TDNの高い餌を使うと豚の密度の高くしても、床の発酵状態は良好である。

床面での豚の行動
  豚は餌場と反対側で糞尿を排出する習性がある。従って、発酵床のトイレ側はぬかりがちになり、手直しすることが多い。しかし、豚はその場所で寝転ぶ。豚はどちらかと言うとそのような場所を好む習性がある。

床面の臭気
  床面の臭気を測定すると、トイレ側のアンモニアガス濃度が高い。しかし、人間が臭気を感じるほどではない。

床の採食
  豚は発酵床を食べる。よく食べる位置はトイレ側の少しネチネチした状態にある床をよく食べている。

豚の飼料採食量
  発酵床に飼養されている豚は、濃厚飼料の採食量が減り、その分、床の採食をしている。

発酵床飼育での豚の発育速度
  寄生虫や肺炎を防止できれば、発育は良好である。

発酵床飼育豚の臓器異常
  発酵床飼育豚の臓器の肉眼的異常はコンクリート床とほとんど変わらない。臓器の組織的病変は、特に肺において、発酵床飼養区の豚で出血並びに肺炎が有意に少ない。

発酵床飼育豚の血液性状の特徴
  発酵床飼育豚の白血球数は多い傾向をしめしました。また、総コレステロール及び中性脂肪が有意に低い値をしめした。

地下浸透の可能性
  トイレ側の地下70センチにおける糞尿の地下浸透について調査した結果、地下浸透の可能性を否定できるデータは得られなかった。従って、これまでのデータから考えると、素掘りの発酵床を推奨することは困難である。

地上発酵床
  地下式の発酵床に代わるものとして、地上式の発酵床がある。これは地上にブロックを3つ重ねた深さであり、床面はコンクリート舗装している。豚を出荷した後はローダーで状態の悪い部分の床を搬出・発酵させる。豚が導入される時点で完熟した豚ぷん堆肥と土着菌で発酵させた新しいオガクズを適量混合し(場合によっては下に発酵豚ぷん、上に土着菌入りのオガクズ)、その上に豚を導入する方法である。
自動給餌機を設置すると人間が管理する分はなくなる。豚の病気もほとんどなくなり、臭いも完全に消失する。ウィンドレス豚舎の豚に比較し、運動量も多く肉質も優れており、今後有望視される肥育法である。給水器と給餌器がセットになった給餌器を使うと水が床内にこぼれることがないため、給水による床のぬかりを心配することはない。また、屋外から圃場残カス等を投入することも容易であり、複合経営での副産物を有効利用できる条件も整う。

床面の過乾燥に注意(肺炎の原因)・寄生虫駆除の徹底が不可欠
  床面の過乾燥は肺炎を発症させる。また、寄生虫駆除は徹底すべきである。夏季の高温に対して、通気性や防暑対策が不可欠である。その点で、コンクリート床と発酵床の良さをどのように組み合わせかが、新たな方式を開発するポイントである。床管理を全て不要とするシステムを早急に開発することが急がれている。

バガスの利用は南西諸島で極めて有望
  バガスは豚の発酵床としてオガクズ代わりに利用できる。また、土着菌や焼酎カスを混合発酵させ餌として有効利用できる。

土着菌の飼料への混入
  飼料を給餌タンクに投入する時点で、自分の拡大培養した土着菌を1%程度混合することにより、豚のおなかの中から土着菌を働かせることになり、臭いはもちろん、飼料効率も向上する可能性がある。低コストで適正な方式を確立するため、飼料への配合法に関する研究を進めるべきである。

地域有機物資源の飼料化とおいしさとの関係
  入来牧場では鶏糞、焼酎カス、山土等地域有機質資源を土着菌で発酵させ、種々の配合割合で肉豚の飼養試験及び豚肉の官能評価を行ってきた。その結果、地域有機質資源を飼料の30%までは配合できることを明らかにした。70%程度までも配合することは可能であるが、配合割合が高まるとTDMが低下し、1日当たり増体量が低下した。
しかし、豚の病気はまったくない。
地域資源を多く配合した餌を食べた豚肉ほどおいしいと言う結果を得ている。
従って地域有機物資源は土着菌で処理することにより、豚肉の飼養資源として活用できる可能性は高い。これらについても実験を継続する。

オガクズの種類
  オガクズの種類について検討すべきである。建築材等のオガクズは使用すべきではない。輸入オガクズについても十分なチェックが必要である。国産オガクズを利用するシステム作りが急がれる。

床の発酵
  発酵床を開始する時、オガクズに土着菌、赤土(20%程度)、塩及び焼酎カス等を混ぜ、前もって発酵させたものを床内に投入すると、菌の動きがよく、床の状態が最初から順調に行くことが明らかになった。オガクズを節約するためには、床の最下層には木枝、竹及びバークをいれる事が有効である。古畳は中にビニールが入っており、材料としては不適切であった。
 
 

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